ヴィーブヘルスケア、開発中の持効性HIV感染症治療薬である広域中和抗体N6LSを用いたウイルス抑制維持の成功を発表
- 第IIb相試験EMBRACEの結果では、4ヶ月毎投与の広域中和抗体(bNAb)であるN6LSと、持効性カボテグラビル(CAB LA)を併用した場合、HIV-1 RNA量を検出限界値以下の状態に維持することを示した
- N6LSは完結した抗レトロウイルス薬の成分として機能できる有効な抗レトロウイルス薬であるというエビデンスをさらに裏付けた
- EMBRACE試験では、6ヶ月毎に投与するN6LSとCAB LAの併用について引き続き探索
この資料は、英国ViiVが2025年3月12日に発表したプレスリリースを一部変更した日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細はhttps://viivhealthcare.com/をご参照ください。
2025年3月12日 英国ロンドン – GSK、ファイザー、塩野義製薬が資本参加するグローバルな HIV 領域のスペシャリスト・カンパニーであるヴィーブヘルスケアは、同社のEMBRACE第IIb相試験から得られた肯定的な結果を発表しました。 この試験では、4ヶ月毎投与のN6LS(VH3810109またはVH109)を、1ヶ月毎投与の持効性カボテグラビル(CAB LA)と組み合わせることで、すでに治療が安定しているHIVと共に生きる成人の参加者のウイルス量を低レベルに維持することに成功しました。また、参加者の忍容性も良好でした。
これらのデータは、米国サンフランシスコで開催されたレトロウイルスおよび日和見感染症に関する会議 (CROI 2025)で発表されました。
ヴィーブヘルスケアの研究開発責任者であるキンバリー・スミス医学博士、公衆衛生学修士は次のように述べています;
「持効性注射剤のイノベーションリーダーとして、私たちはカボテグラビル+リルピビリンによる患者さんと医師の肯定的な経験をもとに、次世代の持効性治療オプションを開拓しています。 EMBRACE試験では、CD4結合部位の広域中和抗体であるVH109の4ヶ月毎投与と、カボテグラビルの1ヶ月毎投与とを併用することで、肯定的な有効性を得られ、6ヶ月間の忍容性も良好であることが示されました。私たちは、将来の超長時間作用型レジメンの構成要素としてVH109の開発を継続していきます。」
EMBRACE試験1の結果 によると、6ヶ月時点の評価において、VH109 60 mg/kgを静脈内投与(IV)した参加者の96%と、VH109 3,000 mgをrHuPH20とともに皮下投与(SC)した参加者の88%がHIV-1 RNA量50 c/mL未満を維持し、標準治療群では96%でした。VH109は、4ヶ月毎に両群に投与され、1ヶ月毎のCAB LAと併用されました。ウイルス学的失敗は、VH109の両群で2例ずつ観察されました。
全体として、投与6ヶ月後の時点でHIV-1 RNA量が50 c/mL以上であった割合はIV群で4%およびSC群で6%であり、標準治療群では認められませんでした。
VH109は全般的に忍容性が良好でしたが、注射部位反応はIV群では報告されなかったのに対し、SC群では14%とより頻繁に報告されました。試験薬の使用に特異的な有害事象の報告は、IV群で64%、SC群で65%であり、SC群の参加者の16%でグレード3〜4の有害事象(紅斑)が認められ、IV群の参加者ではグレード3〜4の有害事象は認められませんでした。
この試験で観察された良好な結果に基づき、ヴィーブヘルスケアは更なる評価のために、EMBRACEパート2試験で、CAB LAと組み合わせたVH109の6ヶ月毎投与のIV製剤の開発を進める予定です。
ボカブリア水懸筋注(カボテグラビル)とリカムビス水懸筋注(リルピビリン)の効能・効果、用法・用量について2
ボカブリアとリカムビスの持効性注射剤の併用は、ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前の6ヶ月間以上においてウイルス学的抑制が得られており、カボテグラビル及びリルピビリンに対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切であると判断される既治療のHIV-1感染患者を対象とし、1ヶ月または2ヶ月に1回投与する持効性治療レジメンです。1回の診療時に医療従事者が2種類の注射剤を臀部にそれぞれ筋肉内注射します。注射治療を開始する前に、カボテグラビルとリルピビリンの錠剤を約1ヶ月間(少なくとも28日間)を目安に経口投与し、薬剤に対する忍容性を評価します。
詳細は最新の添付文書を参照ください。
ViiV Healthcareについて
ヴィーブヘルスケアは、GSK (LSE: GSK)およびファイザー (NYSE: PFE)によって2009年11月に設立された、抗HIV薬に特化したグローバル・スペシャリストカンパニーです。2012年10月に塩野義製薬株式会社が10%の持ち分を取得しました。ヴィーブヘルスケアは、どの会社よりも、HIV/AIDSについてより深い、幅広い関心を持つことで、新たなアプローチで効果的な新規のHIV治療薬を提供し、HIVの影響を受けているコミュニティを支援することを目指しています。詳細は、https://viivhealthcare.com/ja-jp/をご覧ください
GSKについて
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com をご参照ください。