ヴィーブヘルスケア、CROI 2025で、第3世代インテグラーゼ阻害剤(INSTI)とHIV-1に対する高薬理活性を持つカプシド阻害剤に関するデータにより、持効性注射剤のイノベーションリーダーシップを示す

  • 結果は、ViiV Healthcareのパイプラインが、新たな超長時間作用型HIV治療レジメンの開発に向けて複数のオプションを生み出していることを示している
  • 治験中の第3世代インテグラーゼ阻害剤(INSTI)であるVH4524184(VH184)は、HIV-1感染症患者において複数の用量で肯定的な抗ウイルス活性と良好な忍容性を示し、持効性注射用抗レトロウイルス薬としてのさらなる開発を支持
  • 有望な治験用カプシド阻害剤であるVH4011499(VH499)は、HIV-1感染症治療に対し良好な抗ウイルス活性と忍容性を示しており、持効性抗レトロウイルス薬としてのさらなる開発を支持

この資料は、英国ViiVが2025年3月11日に発表したプレスリリースを一部変更した日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細はhttps://viivhealthcare.com/をご参照ください。

2025年3月11日 英国ロンドン – GSK、ファイザー、塩野義製薬が資本参加するグローバルな HIV 領域のスペシャリスト・カンパニーであるヴィーブヘルスケアは、抗レトロウイルス薬の治験薬VH4524184(VH184)とVH4011499(VH499)の2つの第IIa相プルーフ・オブ・コンセプト試験で肯定的な結果を発表しました。サンフランシスコで開催されたレトロウイルスおよび日和見感染症に関する会議 (CROI 2025)で発表されたこれらの知見は、この2つの化合物は、新世代の持効性注射剤としてHIV感染症治療の選択肢となることが明確となり、引き続き開発されることを支持され、さらに、投与間隔の延長の可能性も秘めています。

ヴィーブヘルスケアの研究開発責任者であるキンバリー・スミス医学博士、公衆衛生学修士は次のように述べています;

「持効性注射薬が満たされていない患者さんのニーズを満たし、HIVとエイズの流行を終結させるという私たちの目標達成に重要な役割を果たすことは明らかです。INSTIを中核とする当社のパイプラインは、持効性注射剤のイノベーションにおけるViiVの継続的なリーダーシップを示しています。データは、第3世代INSTIとカプシド阻害剤の抗ウイルス活性と忍容性は、次世代の持効性注射療法の開発において主要な役割を果たすことを示しています。これらの結果は、HIVの影響を受けている人々を第一に考えたイノベーションを優先するという当社の取り組みをさらに強化するものです。」

VH184は肯定的な抗ウイルス活性を示した1

この試験は、抗レトロウイルス療法を受けたことのない成人22例を対象に、10日間の単剤療法期間中の血漿中HIV-1 RNA量の最大変化を評価することにより、VH184の3つの用量 (10mg、50mg、300mgをそれぞれ3日ごとに服用)の抗ウイルス活性と忍容性を探索することを目的としています。この試験の参加者のHIV-1 RNA量は3,000 c/mL以上でした。

第3世代のINSTIであるVH184は、すべての用量で抗ウイルス活性を示し、HIV-1 RNA量の顕著な減少をもたらしました。10日間の単剤療法後、10 mg、50 mg、および300 mgの用量におけるHIV RNA量の減少は、平均でそれぞれ-1.17、-2.15、および-2.31 log10 c/mLでした。ウイルス量の最大減少(-2.69 log10)は、300 mgの用量で観察されました。 さらに、試験終了時の薬剤耐性の発現は観察されませんでした。すべての副作用は軽度から中等度であり、重篤な副作用や参加中止は発生しませんでした。

VH184の持効性製剤は、HIVに感染していない成人おいて進行中の第I相試験で評価されています(NCT06310551)。この試験の結果は、VH184を持効性注射可能な抗レトロウイルス薬としてのさらなる開発を支持しています。

VH499の高用量は、ウイルス量の減少と相関していた2

この試験では、抗レトロウイルス療法を受けたことのない23例の成人を対象に、ベースラインから11日目までの血漿中HIV-1 RNA量の最大変化を評価することにより、化合物の抗ウイルス効果、安全性、忍容性を評価しました。 この試験の参加者の、HIV-1 RNA量は3,000 c/mL以上でした。

治験中のカプシド阻害剤であるVH499の試験では、すべての経口用量(25mg、100mg、および250mg)においてHIV-1 RNA量が減少し、その減少量は250mg群で-2.2 log10 c/mL、25mgおよび100mg群で-1.8 log10 c/mLであったことが示されました。VH499の忍容性が良好で、すべての有害事象の重症度は軽度から中等度でした。中止につながる有害事象は観察されず、重篤な有害事象も報告されませんでした。11日目に、25 mg群の1例で、カプシド阻害剤に対する感受性の低下に関連する単一の変異が発現しました。

HIV-1に感染していない成人を対象とした第I相試験では、VH499の忍容性は良好で、CYP3A4を誘導または阻害しないこと3が既に実証されています。 これらの知見は、本第IIa相試験における肯定的な抗ウイルス活性と相まって、HIV治療のための長期作用型抗レトロウイルス薬としてのVH499のさらなる開発の可能性を支持しています。

VH499の持効性製剤は、 HIVに感染していない成人において進行中の第I相試験で評価されています。(NCT06012136; NCT06724640)

ViiV Healthcareについて

ヴィーブヘルスケアは、GSK (LSE: GSK)およびファイザー (NYSE: PFE)によって2009年11月に設立された、抗HIV薬に特化したグローバル・スペシャリストカンパニーです。2012年10月に塩野義製薬株式会社が10%の持ち分を取得しました。ヴィーブヘルスケアは、どの会社よりも、HIV/AIDSについてより深い、幅広い関心を持つことで、新たなアプローチで効果的な新規のHIV治療薬を提供し、HIVの影響を受けているコミュニティを支援することを目指しています。詳細は、https://viivhealthcare.com/ja-jp/をご覧ください

GSKについて

GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com をご参照ください。

参考

  1. Rogg L, et al. Proof-of-Concept Trial of VH4524184 (VH-184), a Third-Generation Integrase Strand Transfer Inhibitor. Presented at the Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections (CROI 2025), 9-12 March, San Francisco, CA (NCT06214052)
  2. Griesel R, et al. Proof-of-Concept Trial of Oral VH4011499 (VH-499), a New HIV-1 Capsid Inhibitor. Presented at the Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections (CROI 2025), 9-12 March, San Francisco, CA (NCT06039579)
  3. Thakkar et al. AIDS 2024; Munich, Germany. Poster WEPEB105.