ヴィーブヘルスケア、ドウベイト配合錠(DTG/3TC)が未治療の免疫抑制状態の進行したHIV感染症患者に対する効果を示すデータを発表
- HIVグラスゴーで発表されたDOLCE試験のデータは、免疫抑制状態の進行したHIVとともに生きる人々に効果的な2剤併用レジメンの抗HIV療法を提供するという、当社のコミットメントを示している
- 事後解析の結果、ベースラインのHIV-1 RNA量に関わらず、ベースラインのCD4陽性リンパ球数が少ない患者さんにおいて、2剤併用レジメンの有効性が3剤併用レジメンに対して非劣性であることが示された
2024年11月11日 英国ロンドン – GSK、ファイザー、塩野義製薬が資本参加するグローバルな HIV 領域のスペシャリスト・カンパニーであるヴィーブヘルスケアは、Fundación Huéspedとバイアナ感染症学財団が後援したDOLCE試験の48週の結果を発表し、2剤併用レジメンのドウベイト配合錠 (ドルテグラビル/ラミブジン[DTG/3TC])が、免疫抑制状態の進行した成人のHIV感染症患者さんにおけるウイルス学的抑制において3剤併用レジメンと同様の結果を達成したことを発表しました。この試験の事後解析では、DTG/3TC群は、参加者のベースラインのHIV-1 RNA量(ウイルス量)に関わらず、3剤併用レジメン群に対して非劣性であることが示されました。これらのデータは、11月10日から13日までスコットランドのグラスゴーで開催されたHIVグラスゴー2024で発表されました。
ヴィーブヘルスケアのチーフ・メディカル・オフィサーであるハーモニー・P・ジョージ医学博士(MPH)は次のように述べています;
「私たちは、HIVコミュニティの多くの人々にとって、服用する薬剤の成分数を減らすことは重要な考慮事項のひとつであることを知っています。これらの新しいデータは、2剤併用レジメンであるドウベイト配合錠の有効性と安全性を引き続き強固なものにしています。DOLCE試験の結果は、HIV陽性で治療を受けていない成人患者さんへの使用を支持するエビデンスに基づいており、CD4陽性Tリンパ球数(CD4数)が少なくウイルス量が多い人においても、3剤併用レジメンと同様の有効性を示しています」
DOLCE試験は、 抗レトロウイルス治療 (ART) 未実施で免疫抑制状態の進行した HIV感染症 (低 CD4 数 [≤200 cells/mm3]) 患者さん230 人における DTG/3TC の有効性と安全性を評価する無作為化非盲検多施設共同研究です1。臨床試験では、参加者は 2:1 の比率で無作為に割り付けられ、DTG/3TC (n=152) または DTG+TDF/XTC* (n=77、3剤併用レジメン) による治療を受けました。参加者のベースライン特性は2つの治療群間で同様であり、重度の免疫抑制状態でした。参加者のうち43%はベースラインCD4数が100 cells/mm3 未満を示し、ベースラインウイルス量においては61%が100,000 copies/mLを超えており、さらに23%が500,000 copies/mL を超える非常に高いベースラインウイルス量を示していました。
*TDF/XTC=TDFと3TCまたはFTCの意味
この試験の主要評価項目は、48週時におけるウイルス量<50 copies/mLの割合でした。48週時において、DTG/3TC群の82%、3剤併用レジメン群の80%がウイルス量<50 copies/mLを達成し、同様の有効性が観察されました。さらに、事後解析では、DTG/3TC群はウイルス量<50 copies/mLの達成において3剤併用レジメン群に対して非劣性であることが示されました。
Fundación Huéspedのサイエンティフィック・ディレクターであり、DOLCE試験の研究者であるPedro Cahn教授は次のように述べています;
「従来の3剤併用レジメンとの比較で、2剤併用レジメンの有効性と安全性を引き続き裏付ける新たなデータが追加されたことは心強いことです。DOLCE試験の結果は、医療従事者に対してDTG/3TC処方に対するさらなる自信を与えるものであり、抗HIV薬を服用しているHIVとともに生きている人々にとって重要な知見です」
事後解析では、DTG/3TC群は3剤併用レジメン群に対して非劣性であることが示されました(調整リスク差2.0%、95%CI -8.6、12.8%) 1。この研究では、副次評価項目であるウイルス量の減少、ウイルス抑制までの時間、およびCD4数の回復についても、群間で同様であることが示されました。ベースラインのウイルス量カテゴリー別の有効性は、両群間で同様であり、ベースラインのウイルス量が500,000 copies/mLを超える群においても、DTG/3TC群で74%、3剤併用レジメン群(DTG+TDF/XTC)で67%がウイルス学的成功を達成しました。ベースラインから48週までのCD4数の中央値の変化は、DTG/3TC群で200 cells /mm3の増加、3剤併用レジメン群で177 cells /mm3 の増加を示しました。
48週までの安全性は、両群で同様であり、既知の安全性プロファイルと一致しており、重篤な有害事象(SAE)および免疫再構成炎症性症候群の発現率は群間で同様同程度でした。また両群の中止率も同様でした(DTG/3TC = 12, 8%; DTG+TDF/XTC = 6, 8%)。
DOLCEについて
DOLCE(NCT04880395)無作為化臨床試験は、CD4陽性 T細胞数≤200 cells/mm3および血漿HIV-1 RNA量>1,000copies/mLでART耐性またはHBV重複感染がない18歳以上の治療経験のない成人を対象に、HIV-1治療におけるDTG/3TCの有効性を評価する第IV相、非盲検、多施設共同臨床試験であり、アルゼンチンとブラジルの11施設で実施されました。主要評価項目は、48週時における血漿HIV-1 RNA <50 copies/mLであった参加者の割合(ITT-E集団のFDAスナップショット)であり、副次評価項目には、有効性、耐性、安全性、忍容性などが含まれていました。
ドウベイト配合錠について
本剤は、インテグラーゼ阻害薬(INSTI)であるドルテグラビル(テビケイ、50mg)と核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)であるラミブジン(エピビル、300mg)の1 日 1 回投与の 2 剤治療レジメン配合錠です。
ドウベイト配合錠(ドルテグラビル50mg/ラミブジン300mg錠)は、INSTIおよびラミブジンのいずれに対する薬剤耐性関連変異が認められていない12歳以上で体重40kg以上の成人及び青少年におけるHIV-1感染症の治療に対してEUで承認されています。米国では、ドウベイト配合錠は、ドウベイト配合錠のいずれの成分に対する薬剤耐性関連変異が認められていない、抗レトロウイルス(ARV)治療歴のない成人におけるHIV-1感染症の治療、又はウイルス学的に抑制された(HIV-1RNA<50copies/mL)成人におけるHIV-1感染症の切り替え治療を適応として承認されています2。
ドウベイトは、米国、欧州、日本、オーストラリアなど世界各国で承認されています。
詳細の情報は、ドウベイト配合錠の電子添文をご参照ください。
商標はViiV Healthcare group of companiesに所有またはライセンスされています。
Fundación Huéspedについて
フエスペッド財団は、1989 年から公衆衛生に携わっているアルゼンチンのコミュニティ組織で、健康の権利と疾病管理の保証を目指しています。当財団の包括的なアプローチには、研究の開発、実用的なソリューション、および国と地域の公衆衛生政策に関するコミュニケーションが含まれます。当財団の使命は、科学的研究を実施し、予防措置と権利促進イニシアチブを実施して医療へのアクセスを確保し、疾病の影響を軽減することです。重点は HIV/AIDS、ウイルス性肝炎、ワクチンで予防可能な疾患、その他の伝染性疾患、および性と生殖に関する健康です。
ViiV Healthcareについて
ヴィーブヘルスケアは、GSK (LSE: GSK)およびファイザー (NYSE: PFE)によって2009年11月に設立された、抗HIV薬に特化したグローバル・スペシャリストカンパニーです。2012年10月に塩野義製薬株式会社が10%の持ち分を取得しました。ヴィーブヘルスケアは、どの会社よりも、HIV/AIDSについてより深い、幅広い関心を持つことで、新たなアプローチで効果的な新規のHIV治療薬を提供し、HIVの影響を受けているコミュニティを支援することを目指しています。詳細は、https://viivhealthcare.com/ja-jp/をご覧ください
GSKについて
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com をご参照ください。