ヴィーブヘルスケア、LATITUDE第III相臨床試験の中間解析において、HIV-1感染症治療薬である持効性注射剤Cabenuva(カボテグラビル+リルピビリン)は、服薬アドヒアランスに課題を抱えるHIV陽性者に対し、毎日の経口療法と比較し、有効性において優越性を示したことを発表
- ACTGのデータ安全性モニタリング委員会(DSMB)は、無作為化を中止し、毎日の経口療法を受けている参加者が持効性注射剤への切り替えを選択できるよう、試験を修正することを推奨
- 全データセットは今後の科学会議で発表予定
2024年2月21日 英国ロンドン – GSK、ファイザー、塩野義製薬が資本参加するグローバルなHIV領域のスペシャリスト・カンパニーであるヴィーブヘルスケアは、HIV-1感染症に対する持効性注射剤であるCabenuva(カボテグラビル+リルピビリン)が、アドヒアランス不良の既往歴のある患者さんにおいて、毎日の経口療法と比較して、ウイルス抑制維持において優越性を示したLATITUDE第III相臨床試験の中間解析結果を発表しました。
ヴィーブヘルスケアの研究開発責任者であるキンバリー・スミス医学博士は次のように述べています;
「抗HIV治療の錠剤を毎日服用することに課題を抱える人を対象に、毎日の経口療法と比較して持効性注射製剤の高い有効性を示す中間データは、注目に値する結果です」「毎日の経口治療を続けることが難しいと感じる理由はたくさんありますが、LATITUDE試験では、カボテグラビルとリルピビリンの注射レジメンがウイルス抑制に有効で、全般的な健康に利益をもたらすことが示されています。アドヒアランスに課題を抱える人を含め、全てのHIVとともに生きる人々の治療を最適化することは、HIVの流行を終わらせる取り組みに不可欠です」
LATITUDE(Long-Acting Therapy to Improve Treatment Success in Daily Life)試験は、プエルトリコを含む米国31の医療施設で進行中であり、HIVおよびその他の感染症に焦点を当てたNIHの資金提供による世界的な臨床試験ネットワークであるAdvancing Clinical Therapeutics Globally for HIV/AIDS and Other Infections(ACTG)を通じて実施されています。処方どおりに毎日の経口療法を服用することに課題があり、ウイルス血症が認められる参加者は、血液中のHIVに被検薬の薬剤耐性がなく、他の健康状態と安全性に関する基準を満たしていることを確認するためにスクリーニングされました。試験登録後、ウイルス抑制を達成するために、ドルテグラビルおよびbictegravirベースのレジメンを含む、治療ガイドラインの推奨する3剤併用の経口療法を服用しながら、包括的で報酬のあるアドヒアランスサポートを受けました。その後、持効性注射剤 (カボテグラビル+リルピビリン)を4週間ごとに投与する群と、毎日の経口療法を服用し続ける群に無作為に割り付けられました。(※本邦における用法・用量と一部異なります。後述の効能又は効果、用法及び用量を参照1)
先日、DSMBにより予め計画された中間レビューが実施されました。すべての試験エンドポイントが総合的に評価され、その結果、持効性製剤が標準的な毎日の経口療法に比較して効果の優越性を示していると結論付けられました。DSMBは、すべての適格な参加者に持効性注射剤であるカボテグラビル+リルピビリンへの切り替えを推奨しました。
医療や健康保険へのアクセス、手頃な価格、不安定な居住環境、スティグマ、HIV感染を知られることへの恐れなど、毎日薬を服用することに影響を与える要因は多くあります。一貫したアドヒアランスの欠如は、HIVとともに生きる人々の一部において、HIV-RNA量の検出限界値以下を維持することが困難な理由の一般的なものです。
LATITUDE試験は、米国国立衛生研究所(NIH)傘下の米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が後援・資金提供し、ACTGが実施し、米国国立精神衛生研究所、国立薬物乱用研究所、ヴィーブヘルスケア、Janssen Pharmaceutical Companies of Johnson & Johnson社からの追加支援を受けています。
ACTGについて
ACTGは、HIVやその他の感染症とそれらとともに生きる人々に焦点を当てた、世界最大かつ最も長く続いている臨床試験ネットワークです。これは、NIAIDと協力するNIH研究所によって資金提供されています。1987年に設立されたACTGは、HIVとその併存疾患の管理を改善するための研究を行っています。HIV感染症、結核、B型肝炎、新興感染症の治療法の画期的な研究を行っています。何千人もの献身的な研究者、スタッフ、コミュニティメンバーで構成されており、4大陸の何百もの場所で感染症の新しい治療法や治癒の研究を追求しており、私たちがサービスを提供する人々の生活に有意義な影響を与える科学を進歩させることを究極の目標としています。
Cabenuva (カボテグラビル+リルピビリン) について
Cabenuvaは、治療失敗の既往がなく、安定した抗HIV治療によりウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量<50 c/mL)を得られ、カボテグラビルまたはリルピビリンのいずれかに対する既知または疑われる薬剤耐性関連変異のない患者を対象とした成人HIV-1感染症の治療として適応を取得している持効性注射レジメンです。
この持効性注射剤は、ヴィーブヘルスケアが開発したインテグラーゼ阻害剤(INSTI)カボテグラビルと、Janssen Sciences Ireland UCが開発した非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)であるリルピビリンを組み合わせたものです。リルピビリンは米国において1日1回投与の25㎎の錠剤として、他の抗HIV薬と併用し、抗HIV治療歴のない12歳以上で、HIV-1 RNA量100,000c/mL以下の体重35kg以上のHIV-1感染症患者を対象に承認されています。
カボテグラビルを含むINSTIは、ウイルスDNAがヒト免疫細胞(T細胞)のDNAへの組み込みを阻害することによりHIVの複製を阻害します。この過程はHIVの複製に不可欠で、慢性感染の成立に関与します。リルピビリンはNNRTIであり、逆転写酵素と呼ばれる酵素を阻害することにより、ウイルスの複製を阻害します。
商標はヴィーブヘルスケアのグループ会社が所有またはライセンス供与しています。
本邦におけるカボテグラビルおよびリルピビリンの持効性注射剤の概要は以下の通りです。
カボテグラビルとリルピビリンの効能・効果、用法・用量について1
カボテグラビル注射剤とリルピビリン注射剤の併用は、ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前の6ヵ月間以上においてウイルス学的抑制が得られており、カボテグラビル及びリルピビリンに対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切であると判断される既治療のHIV-1感染患者を対象とし、1ヶ月または2ヶ月に1回投与する持効性治療レジメンです。1回の診療時に医療従事者が2種類の注射剤を臀部にそれぞれ筋肉内注射します。注射治療を開始する前に、カボテグラビルとリルピビリンの錠剤を約1ヶ月間(少なくとも28日間)を目安に経口投与し、薬剤に対する忍容性を評価します。
詳細は最新の添付文書を参照ください。
ヴィーブヘルスケアについて
ヴィーブヘルスケアは、GSK (LSE: GSK)およびファイザー (NYSE: PFE)によって2009年11月に設立された、抗HIV薬に特化したグローバル・スペシャリストカンパニーです。2012年10月に塩野義製薬株式会社が10%の持ち分を取得しました。ヴィーブヘルスケアは、どの会社よりも、HIV/AIDSについてより深い、幅広い関心を持つことで、新たなアプローチで効果的な新規のHIV治療薬を提供し、HIVの影響を受けているコミュニティを支援することを目指しています。詳細は、https://viivhealthcare.com/ja-jp/をご覧ください
会社、マネジメント、ポートフォリオ、パイプライン、コミットメントに関する更なる情報は、www.viivhealthcare.com をご覧ください。
GSKについて
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com をご参照ください。