日本初、持効性注射剤のHIV治療薬
『ボカブリア水懸筋注400mg/600mg』『ボカブリア錠30㎎』
および『リカムビス🄬水懸筋注600mg/900mg』新発売のお知らせ

この新たな治療法により、HIVとともに生きる人々が治療を受ける回数を年間365日から12日もしくは6日に削減することが可能になります

ヴィーブヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:サイモン・リ、以下「ヴィーブヘルスケア」)は、2022年5月31日にHIV-1感染症を効能・効果として製造販売承認を取得した「ボカブリア水懸筋注及びボカブリア錠(カボテグラビル注射剤及び錠剤)」「リカムビス®水懸筋注600mg/900mg」について、2022年6月27日より販売を開始しました。本剤は2022年6月8日に薬価収載され、ボカブリア錠30㎎については既存の抗HIV薬と同様に新薬の14日間投薬期間制限の対象外となりました。「ボカブリア水懸筋注」および「リカムビス®水懸筋注」の併用療法については、ヴィーブヘルスケア株式会社と塩野義製薬株式会社がプロモーション提携を結び、医薬品情報提供活動を行います。 流通・販売業務は、グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ポール・リレット)が行います。

ボカブリアは、ヤンセンファーマのリカムビス®水懸筋注(リルピビリン注射剤)及びエジュラント錠(リルピビリン錠剤)と併用し、ウイルス学的抑制が得られており、カボテグラビルまたはリルピビリンに対する耐性関連変異がこれまで検出されていない、ウイルス学的失敗歴がない成人のヒト免疫不全ウイルス(HIV)-1感染症が適応となります1

カボテグラビル錠剤およびリルピビリン錠剤はカボテグラビル注射剤及びリルピビリン注射剤を開始する前に経口導入として使用する

ヴィーブヘルスケアは、新規HIV-1感染症治療薬である「ボカブリア」の日本国内における製品価値の最大化を図ると共に、日本のHIV感染症治療の発展に貢献するべく、医療関係者の皆さまへの情報提供活動に尽力し、本剤の適正使用の推進と、既存薬でいまだ満たされていない患者さんのニーズに応える新たな治療オプションをお届けできるよう取り組んでまいります。

日本での「ボカブリア」「リカムビス®」の製品情報は医療従事者専用のウェブサイト https://gskpro.com/ja-jp/ にてご確認いただけます。

カボテグラビルについて

本剤は米国、欧州等において、HIV-1感染症を適応として承認されています。カボテグラビルはヴィーブヘルスケアが開発した、ウイルス学的失敗の経験がない成人HIV-1感染症患者を対象としたインテグラーゼ阻害薬(INSTI)です。リルピビリン注射剤と併用する持効性注射剤として承認を受けました。

カボテグラビルが含まれるINSTIは、ウイルスDNAがヒト免疫細胞(T細胞)のDNAへの組み込みを阻害することによりHIVの複製を阻害します。この過程はHIVの複製に不可欠で、慢性感染の成立に寄与します。商標はヴィーブヘルスケアのグループ会社が所有またはライセンス供与しています。

リルピビリン注射剤について

リルピビリン注射剤は、Janssen Sciences Ireland UCが開発した持効性懸濁注射液です。リルピビリンは、非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)で、逆転写酵素と呼ばれる酵素を阻害することにより、ウイルスの複製を阻害します。

カボテグラビルとリルピビリンの効能・効果、用法・用量について

カボテグラビル注射剤とリルピビリン注射剤の併用は、ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前の6ヵ月間以上においてウイルス学的抑制が得られており、カボテグラビル及びリルピビリンに対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切であると判断される既治療のHIV-1感染患者を対象とし、1ヶ月または2ヶ月に1回投与する持効性治療レジメンです。1回の診療時に医療従事者が2種類の注射剤を臀部にそれぞれ筋肉内注射します。注射治療を開始する前に、カボテグラビルとリルピビリンの錠剤を約1ヶ月間(少なくとも28日間)を目安に経口投与し、薬剤に対する忍容性を評価します1

HIV (Human Immunodeficiency Virus;ヒト免疫不全ウイルス) 感染症について

ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus:HIV) は、ヒトの免疫システムで重要な役割を担う白血球の一種であるCD4Tリンパ球という細胞に感染します。これらの細胞がHIV感染のために、徐々に破壊され免疫力が低下し、日和見感染症や悪性腫瘍を合併するようになります。この状態が、後天性免疫不全症候群(Acquired Immune Deficiency Syndrome:エイズ) と呼ばれます。厚生労働省エイズ動向委員会による報告では、本邦において、2020 年に新規に報告されたHIV 感染者(診断時にAIDSを発症していない患者) 数は750件、AIDS患者数は345 件であり、両者を合わせた新規報告件数は1,095 件でした。また、2020 年までの累積報告件数(凝固因子製剤による感染例を除く)は32,480件と報告されています2

ヴィーブヘルスケアについて

ヴィーブヘルスケアは、英国GSKと米国ファイザーによって2009年に設立された、抗HIV薬に特化したスペシャリスト・カンパニーです。2012年10月に塩野義製薬株式会社が10%の持ち分を取得しました。ヴィーブヘルスケアは、どの会社よりも、HIV/AIDSについてより深い、幅広い関心を持つことで、新たなアプローチで効果的な新規のHIV治療薬を提供し、HIVの影響を受けているコミュニティを支援することを目指しています。詳細は、https://viivhealthcare.com/ja-jp/about-viiv/ をご覧ください。

GSKについて

GSKは、科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/を参照ください。

参考文献
  1. ボカブリア水懸筋注400mg/600mg、ボガブリア錠30㎎、リカムビス水懸筋注600mg/900mg 各添付文書 第1
  2. 厚生労働省エイズ動向委員会2020年 年報

NP-JP-NA-PRSR-230006